ステンシルシートの嫁ぎ先レポート
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こんにちは。ホワイトチョコが好きすぎるナッツです。
嫁ぎ先レポート第二弾!ご紹介はこちら
こちらは、「ステンシルシート」です。
ステンシルとは、紙や金属板に切り抜いた文字や絵柄などをテンプレートとして、ペン等でなぞったり、インク等を押し出して、刷り出す方法です。
仕様について
素材は「ユポ」という素材の厚み0.25mm。大きさは仕上がりがA5サイズ(210mm×148mm)。デザインはお客様からのご支給です。
ユポってなに?
ユポって?と思われた方もいるかと思いますので簡単にご紹介致します。
「ユポ」は、株式会社ユポ・コーポレーションが、「森林資源の保護」を目的に「一般紙に代わる夢の紙」として開発された、強くてしなやかな「フィルム法合成紙」です。石油からできる合成樹脂のポリプロピレンが主原料です。一見紙の様に見えますがプラスチックに似た感じですので撥水性が有り、紙と比べると耐久性があります。日常では、選挙ポスターや、飲食店のメニューなどで使用されていたります。意外と身近で使われているのですね。
ユポについて詳しくはこちらをご覧ください。
今回のご依頼
今回は「コドモチョウナイカイ」様からご依頼いただきました。
「金沢21世紀美術館」にて、「デザインであそぶまなぶつながるコドモチョウナイカイ」展が1年を通して開催され、その集大成イベントのワークショップで使用する、オリジナルのステンシルシートを作成したいとのご相談をいただきました。
そこで使用するステンシルシートは、染料など水分に触れても形状が崩れず、破れにくくなくてはいけないとのことで、「ユポ」をお選びいただきました。
完成までの道のり
「ユポ」と一口に言っても、厚みや特徴も様々。
弊社でもユポを加工した実績はありましたが、ご指定いただくものにより、仕上がりに差が出る可能性がありました。
当初、「PET素材」か「ユポ」が候補に挙がっていたため、ご相談いただいた後、弊社でも在庫していた素材でテストカットしてみることに。
その結果下の写真のように、いずれも一部が熱で溶けて盛り上がってしまいました。
これではステンシルシートとしての役目は果たせません。
そこで、この結果をお客様と共有し、鋭角になっている形状の部分は、角をなくしたらどうか?と、なるべくゆるやかな形状に変更していただきました。
その後も弊社数台ある機械の特徴による仕上がりにも差があった為、テストを重ね、何とか手ごたえを得て本番へ。
ただ、カットライン沿いにどうしても黒い汚れのようなものが残ってしまいます。
これはレーザー加工の特性上、仕方がないとのことでお客様にもご了承いただき納品させていただきました。
このうねうね形状は?
ここまでお読みになった方は、この形状がかなり気になっていたかと思います。
どのようなイベントだったのか、コドモチョウナイカイ事務局 代表の式地香織様から、ワークショップの写真をいただきましたので、ご紹介させていただきます。こちらをご覧ください。
友達や家族と手を合わせて描いた「木」に、コドモチョウナイカイの子供たちが自分の体の一部分をトレースしてつくった型紙。これがステンシルシートなのですね。この不思議な形。なぜかとっても惹かれますね。
コドモチョウナイカイとは?
こどもたちが「コドモチョウナイカイ」と称するデザインチームを組んで、共に遊び、学びあいながら、町や町の人を元気にする「おまつり」をつくりあげるワークショップのプログラムであり、こどもたちによるデザインプロジェクトです・デザインのもつ教育力を耕して、こどもたちの生きる力や場を育む、様々なプログラムを展開。(※デザインでつくる コドモチョウナイカイまつり2019 こどもたちによるデザインプロジェクトの記録より抜粋)
最後に
今回ご依頼いただき、やり取りする中で、代表の式地香織様からこんなことを仰っていただきました。「やったことのない素材で、なかなか加工業者に嫌がられることが多い中、チャレンジして下さってありがとうございます」と。いえ、むしろ、行き詰まりそうになった時、こうすればできるかもしれない!とご提案・ご協力くださったおかげで、ゴールに辿りつくことができたと思っております。活動を率いる式地様自らが、「コドモチョウナイカイ」の根幹である、様々な問題に対して「デザインの力」で「実現可能な解を見つけ出す」活動をされているということを改めて感じました。
今後の活動も是非注目したいと思います。この度はHPの掲載にご快諾いただきありがとうございました。