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花手水が美しい川越最明寺「川越祭り」の切り絵御朱印をご紹介

こんにちは、東京紙器です。

今年も、埼玉三大祭りの1つ「川越祭り」が盛大に開催されました。江戸の風情が残る川越の街並みに、巨大な山車が行き交い、訪れた人々を魅了するこの祭りは、まさに秋の風物詩とも言えるでしょう。祭りが終わり、また来年を楽しみに待つ一方で、少し寂しさも感じますね。

そんな川越祭りの名残を感じられるのが、川越最明寺で頒布されている美しく特別な切り絵御朱印です。祭りの賑わいを細やかなデザインで表現したこの御朱印を手に取れば、川越祭りの余韻を少しだけ持ち帰れるかもしれません。ぜひ、この美しい御朱印と共に、川越の秋の思い出をお楽しみください。

川越最明寺と北条時頼


川越西明寺 正面

最明寺は、鎌倉時代の1262年に北条時頼によって創建された歴史ある寺院です。北条時頼は、鎌倉幕府の第5代執権で、信仰心の篤さでも知られる人物です。彼は執権職を辞した後、出家して最明寺入道学了道崇と名乗り、諸国を巡る旅に出ました。

伝承によると、最明寺の開山には源氏の二代将軍・源頼家の次男である千寿丸(瑶光房道円)が関わっていたとされています。千寿丸は、父・頼家が伊豆修善寺で暗殺された後、武蔵国三芳野の住人・豊田源兵衛景快を頼ってこの地に逃れ、出家して瑶光房道円と名乗り、草庵で質素な生活を送っていたと伝えられています。

ある日、北条時頼はこの千寿丸と出会い、源氏に連なる者がひっそりと生きる姿に胸を打たれ、供養のための寺院建立を発願しました。最明寺の山号「瑶光山」は、千寿丸の名「瑶光房」に由来しており、ここに北条家と源氏への思いが深く刻まれているのです。

時頼という人

この伝承には、北条時頼の慈悲や、源氏への複雑な思いが垣間見えます。時頼が目指したのは、北条家を中心とした強い統治と、仏教による人々の平安の実現でした。しかし、謀略の渦巻く武士社会では、時には非情な決断を求められることも多く、内心ではその厳しさに葛藤していたのかもしれません。武士としての誇りや使命感に突き動かされながらも、理想と現実の狭間で仏門への憧れと救いを求める心が芽生えたのではないでしょうか。

現在の最明寺

川越西明寺 斜めから

その後、最明寺は戦乱により幾度か焼失しましたが、江戸時代には川越喜多院の天海僧正の指導のもと、地域の人々の支援で再建されました。昭和53年(1978年)に再建された現在の本堂では、春にはしだれ桜、花手水、切り絵御朱印など、四季折々の景観が楽しめます。最近は「ピンクリボン運動」への参加や、フレンチ精進料理のイベント開催など、地域に根差した新しい試みを展開し、同性結婚式にも対応するなど、仏教の教えを柔軟に実践しています。

巨大な山車が行き交う川越祭りとは


ユネスコ無形文化遺産に登録されている「川越祭り」は、関東三大祭りのひとつにも数えられる盛大な祭りで、毎年10月に行われます。江戸時代の面影を残す小江戸・川越の街並みを背景に、見事に装飾された巨大な山車が練り歩き、多くの観光客を惹きつけます。山車同士が出会う「曳っかわせ」では、山車の上で囃子(はやし)合戦が繰り広げられ、このお祭りの大きな見どころの1つです。

この祭りは、もともと川越氷川神社の例大祭として始まり、300年以上の歴史を持つ伝統行事。山車には豪華な彫刻が施され、華やかな江戸の風情が感じられる一方で、各町の誇りが込められた手作りの祭りならではの温かさも伝わってきます。

川越祭りの様子

最明寺の川越祭りの切り絵御朱印


今回製作させていただいた切り絵御朱印は、この川越祭りを題材にした素晴らしい御朱印です。川越を練り歩く山車を中心に、空には花火が輝いています。そして、小江戸川越のシンボルといえる「時の鐘」が、お祭りの様子を見守っています。手前側には、これまた川越の名物である「人力車」が切り絵で表現されています。山車の上では祭り囃子の様子が描かれ、賑やかでエネルギッシュなお祭りの雰囲気を感じることができます。

黒地のデザインの場合、黒い紙を使うことも多いのですが、今回製作した切り絵御朱印では白い紙を使い、その上に印刷を施しています。白い紙への印刷は、印刷色が紙色の影響を受けにくいため、深みのある色を再現できるのが特徴です。花火が色鮮やかに再現できているのも、そのためです。

最明寺 川越祭り切り絵御朱印 空に掲げて

花手水の切り絵御朱印


川越では現在「花手水めぐり」が人気を博していますが、小江戸花手水の発祥となったのが最明寺の花手水です。最明寺では、その花手水をモチーフにした一風変わった切り絵御朱印も頒布されます。何が一風変わっているのかというと、その独特な形状です。実は、花手水の切り絵御朱印はドーナッツのような丸い形状をしています。とてもユニークで、他では見られないものですね。

最明寺 花手水の切り絵御朱印

最明寺の花手水は水瓶に花を飾り、境内に設けられています。その水瓶(器)が切り絵で再現されています。紙は優しい緑色で、花手水の文字と最明寺の朱印が箔押しで表現されています。輪の部分にお花をかざして写真を撮れば、自分だけの花手水を作ることができます。

最明寺 花手水の切り絵御朱印イメージ
※写真はイメージです

切り絵御朱印の製作なら東京紙器へ


最明寺の切り絵御朱印いかがでしたか。

今回は、川越祭りの切り絵御朱印ではデザインから製作まで弊社で、花手水の切り絵御朱印はデザインをご支給いただき、製作は弊社で承りました。ご住職様や副住職様と綿密に打ち合わせをし、さまざまなご意見をデザインや製作内容に反映させた結果、他にはない美しい御朱印が完成しました。

製作から情報発信もサポート

東京紙器では、御朱印を作るだけでなく、そこまでの過程や製作後の繋がりも大事にしたいと考えています。デザイン作りは、お客様の想いを表現する手段です。そのため、ヒアリングをしっかりさせていただき、表現力の豊かなデザイナーと共に確かな技術で製品づくりを行います。製作後には、SNSでの発信や記事の執筆などによって、少しでも多くの方に情報が届けられるようにお手伝いをさせていただくことも可能です。

御朱印や紙アイテムの製作をお考えでしたら、ぜひお問い合わせフォームからご連絡ください。

Ideaを形に

参考サイト


瑶光山 最明寺 公式サイト

https://www.saimyouzi.com

瑶光山 最明寺 公式インスタグラム

https://www.instagram.com/saimyouji

LIVING埼玉 【川越】お花見に出かけませんか? 最明寺の『花手水』は、毎日が見頃です!

https://mrs.living.jp/saitama/event_leisure/reporter/4994946

川越祭り

https://www.kawagoematsuri.jp

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山田秀嗣
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