東京紙器が教える「ポップアップカード製作で大事」なポイント
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こんにちは、東京紙器です。
ポップアップカードの製作と聞いて、皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか?
「とても複雑で、何から手を付ければ良いか分からない。」と感じる方も多いのではないでしょうか。実際、手持ちの情報と漠然としたイメージだけでお問い合わせいただくことが多くあります。
しかし、難しく思えるポップアップカードの製作でも、しっかりと道筋を立てて丁寧に作り込めば、人々をアッと驚かせるような素敵なカードが実現できます。
今回は、弊社が得意とする紙アイテムの一つ、「ポップアップカード」の製作の流れについて、長年ポップアップカードの製作に携わってきた弊社だからこそお伝えできるポイントをご紹介します。ポップアップカード製作をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
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ポップアップカード製作は「家づくり」と似たプロセス
ポップアップカードの製作は、家を建てるプロセスに似ています。家を建てる際、まず「どのような家を建てたいのか」というビジョンを明確にすることが重要です。
規模や予算、デザインのこだわりなど、あらゆる要素を考慮して計画を立てます。ポップアップカードを作成する際にも、まず「どんな目的で作りたいのか」「どんなモチーフを使用したいのか」を明確にすることが重要です。
目的を考える
ポップアップカードの製作で最初に重要なのが「完成時のイメージ」を持つことです。贈答用なのか、広告やプロモーション用なのかによって、求められるデザインや機能が大きく異なります。
贈答用のカードであれば、受け取る人に感動を与え、記念に残るデザインのようなことが求められます。一方、広告やプロモーション用であれば、ブランドや製品の魅力を最大限に伝えるために、シンプルで機能的なデザインにすることが重要です。
また、郵送の有無も重要なポイントです。重量によって送料が変化する場合、コストを抑えるためにパーツの数を減らし、シンプルな設計を目指します。
サイズや構造を考える
目的が明確になったら、次にポップアップカードのサイズと構造を考えます。カードのサイズは実現可能な構造やデザインに直接影響します。
例えば、複雑な構造を小さなサイズの中に収めようとすると、組み立てが複雑になり、コストの増大や長い納期が必要になる可能性があります。また、開閉時にパーツ同士が干渉することで破損しやすくなるなど、無理が生じることもあります。
カードのどこでどのようにモチーフがポップアップするのか、どのくらいの大きさで再現するのかなどは、カードのサイズに依存し、サイズに応じた適切な構造の組み合わせを選択する必要があります。
素材、印刷、加工を考える
家を建てる際には、使用する建材がその家の外観や耐久性に大きな影響を与えるように、ポップアップカード製作でも、使用する紙の質感や厚み、印刷方法などによってカードの雰囲気が大きく変わります。
高級感を演出したい場合は、質感や色合いに特徴のある「ファンシーペーパー」を使用し、箔押し、レーザーカットなどの特殊な加工を組み合わせることが考えられます。
一方、量産性やコストを重視する場合は、コート紙にオフセット印刷を施し、打抜き加工して製作する方法もあります。コート紙はオフセット印刷によって鮮やかなカラー表現が可能で、印刷再現性も高いため、商品紹介用のポップアップカードなどに有用です。
最近では、適切に管理された森林の木材を使用した紙であることを証明する「FSC認証紙」や、古紙を利用した再生紙などのエコ素材を使用することで、環境に配慮したポップアップカードを製作し、企業のイメージアップを図ることも多くなっています。
製作のポイント
1.ホワイトダミーの重要性
家を建てる前に、モデルハウスを見学したり模型を作ったりして、イメージをじっくり確認するステップがあるように、ポップアップカードでも、実際の製作に進む前に「ホワイトダミー」という試作段階があります。
ホワイトダミーとは、グラフィックデザインが入る前の無地の紙を使って、カードの構造や動作を確認するために作られる試作品のことで、以下の点を確認します。
- パーツ同士が正しく動くか
- 立体的な部分がしっかりと飛び出すか
- 開閉に問題がないか
実際に手に取って確認することで、最終製作に進む前に必要な修正を行うことができるため、ポップアップカード製作には必須のステップです。ホワイトダミーで確認が終わってから、最終的なデザインやグラフィックを追加し、本製作に移ります。
最終的な製品が完成するまでには、カードの印刷や加工、組み立てなどが必要です。場合によっては試作を繰り返し、製品をさらにブラッシュアップすることもあります。
2.組み立て難易度の重要性
ポップアップカードの製作で最も難しいのは「組み立て」です。意外と知られていませんが、ポップアップカードの組み立ては基本的にすべて手作業で行われます。そのため、構造が複雑になるほど組み立てに時間がかかり、コストも高くなります。製作時間は、実際に組み立てた時間を計測して算出します。
弊社では、誰が組み立てても出来上がりが同じようになるよう、工夫した設計を心がけています。これにより、トータルの製作費を抑え、現実的な納期での納品が可能になります。
複雑な構造での製作が必要な場合もありますが、技術的な難易度が上がるため、製作に精通した経験豊富なベテランの力が必要になります。
近年では、組み立て熟練者の高齢化や新たな人材の減少により、製作時間が従来よりもかかるという問題があります。そのため、早めにご相談いただくことが重要です。
まとめ
ポップアップカードの製作で大事なポイントはお伝えできたでしょうか。これを読んでも、複雑で難しいように感じられるかもしれませんが、まずは目的と完成時のイメージを明確にすることが大事です。
そこから先、構造設計や素材選び、そして印刷から加工まで組み立てまでのプロセスは、弊社でしっかりとサポートさせていただきますので、安心してお任せください。
ポップアップカードの製作をご検討中の方は、「しかけがみ」よりお気軽にお問い合わせください。