アメリカでスーパーチューズデーが終わりましたね。スーパーチューズデーとはアメリカ大統領選挙において、共和党、民主党二大政党それぞれの候補者を決める予備選挙が多数行われる3月第2火曜日のことです。結果、民主党は当然現大統領であるバイデン、共和党は未だいろいろと物議をかもしつづけるトランプ前大統領が候補者となりました。
さて、今回ご紹介したいのはそんな政治の話ではなく、紙のトランプです。
皆さんは「共感トランプ」を御存じでしょうか。これは普通のトランプとはちょっと違うある目的を持ったカードゲームです。東京紙器では過去2回共感トランプの製作をお手伝いさせていただきました。この記事ではちょっと特殊で興味深いこのカードゲームの内容を紹介してみたいと思います。
Table of Contents
重要なキーワード「NVC」
共感トランプはその名の通り、人々が相互に共感し合うことを促進するためにデザインされたカードゲームなのですが、1つの目的として「NVC」(Nonviolent Communication 非暴力/共感的コミュニケーション)の練習に役立てるということがあります。
NVCは、心理学者マーシャル・B・ローゼンバーグによって開発されたコミュニケーションのプロセスで、その主旨は自己と他者との間の共感的なつながりを深めることにあります。人との関係性において評価や批判、分析を行うのではなく、感情やニーズを見出し、受け入れ、尊重しようという手法のことです。その手法を通じ、対立ではなく平和的な人間関係を構築することが目的です。
共感トランプは大きく2種類のカードがある
共感トランプには2種類のカードがあり、それぞれ「感情」、「ニーズ」のカードとなっています。そしてカードには1枚1枚様々な言葉が書かれています。
例えば感情カードには、「混乱している」「怖い」「うっとりしている」「有頂天」といった言葉です。ニーズカードは、「美」「ユーモア」「貢献」「つながり」などといった具合です。これらのカードを用い、会話形式でゲームを進行していくのが主要な使い方となっています。
主なあそびかた
ここまでの話で分かるように共感トランプは勝ち負けを目的としたゲームではありません。遊び方はいくつかあるのですが、代表的な遊び方を簡単にご紹介します。
まず話し手、聞き手に分かれて、話し手が自分の心が揺れた体験を話し、聞き手は話し手の感情を推測して感情カードを選んでいきます。話し手はその質問に短い返答で応じていき、質問と返答を繰り返しながらいくつかの感情カードを選別していきます。そして選ばれた感情になった理由を、ニーズカードをつかって同様に会話していき、感情とニーズのペアを作っていくのです。その際、分析や批評ではなく、あくまで直感を信じて選んでいくことが重要です。
このカードゲームは推理をするものではなく、あくまで共感、相互理解の能力を磨き、コミュニケーションの質を高めることが大切なのです。
東京紙器の手伝ったこと
さて、通常のトランプに比べ共感トランプはその性格上カード種類がとても多くなります。通常のトランプは52枚にジョーカー2枚の54枚が標準ですが、共感トランプではなんと4柄各80種の320種類ものカードが存在します。これだけの種類のカードとなると、通常のトランプとは異なる工程で製作しなければならず、特に製造ロットが少ない場合、型の製作費などを考えると1セットあたりのコストが非常に大きくなってしまいます。
東京紙器ではこれら特殊なニーズに応えるべく、これまでの紙加工知見や協力工場の助力を得て、紙手配、印刷から加工、組み立てまで全工程を請け負い、製造を統括させていただいています。そのため、特殊な要件でも大きなコストをかけない製造方法などをご提案できます。
まとめ
デジタル化が進んだ現代社会は、SNS、チャット、メールなど様々なデジタル手段でコミュニケーションを取ることができ、以前よりも密接且つ幅広い交流が可能になったものの、人間関係に悩むこともまた同時に増えてしまっています。NVCはこのような社会において、他社との関係を改善し、コミュニティ内の結束を強化することに役立つ手法です。
共感トランプは、NVCの練習をするのに非常に役立つツールです。殺伐とした人間関係に疲れたら、共感トランプを使って自己表現と共感を楽しんでみてはいかがでしょうか。
共感トランプはNVCジャパン・ネットワークが販売をしています。
記事を見て興味を持った方は、下記URL先よりぜひNVCジャパンのHPもご参照ください。
https://nvc-japan.net/empathy-cards/
また、自分でもこういったアイテムや教材を作ってみたいという方は、
当HPのお問合せフォームよりご相談ください。
「Ideaを形に。」東京紙器株式会社