平安の至宝、大林寺の十一面観音立像

2023/10/03

平安の至宝、大林寺の十一面観音立像

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大阪、松原の大林寺さまからのご依頼

そろそろ夏の兆しが見え始めていた6月のある日、大阪の大林寺様から「切り絵御朱印」についてのお問い合わせをホームページからいただきました。

寺院の「十一面観世音菩薩立像」の写真と共にお問い合わせをいただき、弊社オリジナル企画である「立体御朱印」へ特に魅力を感じていただけたということでした。写真の観音様と光背をそれぞれ別の紙で表現して立ち上げたいという具体的なご要望もありましたので、非常にスムーズにお見積りを作成することができました。

お写真拝見するに、とても素晴らしい観音像でしたので、魅力的な立体御朱印が作れるなと期待が膨らみました。

弊社の「立体御朱印」とは、レーザーカットで細かく再現した仏像や観音像を起き上がらせて見せるポップアップカードのことで、背景にこれまたレーザー加工を施した光背などを配置することで奥行きを演出できます。これによって、平面の絵図と比べてより立体的な表現が可能になっています。

製作までの流れ

その後、ありがたいことに製作をご依頼いただけることになったので、まずは写真やヒアリングの内容からデザインの製作を開始しました。

デザインには早くても1～2週間かかりますので、その間に紙の色を選んでいただきました。また、紙というのは種類が非常に多く、それぞれ特徴や色の異なるものが数百以上もあります。そこで、弊社の方で印刷や加工に適正の良い紙をいくつか選定してご提案しました。

紙の選定では、実際にサンプル紙を送ることもありますし、写真などでご確認いただくこともあります。デザイン完成と紙の選定完了後に、続いて完成イメージ図あるいは試作品をご確認いただきます。多くは遠方からメールや電話でのやり取りになりますので、量産前に具体的なイメージ図や場合によっては試作した現品をご覧いただくことで、お客様の想像する完成品と実際のものの齟齬を減らし安心してご依頼していただけるようになります。

今回は2パターンのイメージ画像を作成してご確認いただきました。

もとは大寺院！？　大林寺のご紹介

今回製作のご依頼をいただいた大林寺様は、大阪府のほぼ中央、松原市の北新町にある寺院です。

あべのハルカスで有名な天王寺駅から電車で20分ほどのところにある南大阪線の布忍駅、そこから歩いて5分ほどのところにあります。周辺には大阪府の有形文化財に指定されている布忍神社があります。

言い伝えによると、かつてこの地には七堂伽藍を有する永興寺という大きなお寺があり、大林寺には永興寺を由来とする十一面観音立像や木造不動明王坐像など数多くの所蔵物を受け継がれたそうです。

また、周辺の発掘調査で出土した軒丸瓦なども展示していて、平安時代から江戸時代にかけての様々な歴史的遺物を目にすることができます。このような背景を持つ大林寺は、歴史好きにはとても魅力的な場所と言えるでしょう。

凛として美しい、十一面観世音菩薩立像

立体御朱印として再現した十一面観音立像は、松原市の有形文化財に指定されています。

平安時代後期のもので、もとは永興寺の御本尊でした。当初は漆箔だったものが、長年の風化で現在は素地が見えた状態になっています。像高は170cmと大柄で、ヒノキの一木造というなんともエレガントな観音像です。

残念ながら指定には至らなかったものの、昭和24年には国宝審査の対象にもなったそうです。今回立体御朱印として観音像を再現させていただいたことで、その素晴らしいお姿を皆様のお手元でも偲ぶことができるようになりました。

また、十一面観音立像が安置されていた永興寺の本堂は、大阪府柏原市の壺井寺へ移築され現存しているそうです。

大阪で観音巡りはいかがでしょうか

大林寺は河内西国霊場の1つです。河内西国霊場は江戸時代から続く観音霊場で、信貴生駒山に沿って点在する33の寺院が所属しています。戦争などの影響で一時は忘れられていたようですが、1970年代に復活を遂げ現在まで続く歴史ある霊場です。全てを巡るのは難しいかもしれませんが、大阪観光の折りには霊場巡りもしてみてはいかがでしょうか。

遠方のため、直接の取材が難しかったものの、機会があれば是非お伺いさせていただきたいと思っています。そのため、この記事は河内西国霊場のウェブサイトや、松原市の興味深い記事、文化遺産オンラインなどを参考にして執筆しました。

ご参拝の方や御朱印を入手された方は是非SNSなどでアップしてください。
ハッシュタグは #大林寺 #河内西国霊場 #立体御朱印！

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