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発展著しい東南アジア
ASEAN「Association of South-East Asian Nations」。東南アジアを象徴する言葉です。中国のバブルが弾けている今、世界の注目を集める地域ですね。日本におけるASEAN諸国の存在感も日に日に高まっていますが、東京紙器も属する印刷物後加工業は東南アジアにおいてどのような発展をしているのでしょうか。
東南アジアは、経済成長と共に多様な産業が発展してきました。その中でも、印刷物後加工業は、地域の経済発展と情報化社会の進展に伴い、急速に成長している分野の一つとなっています。
東南アジアにおける市場の特徴
東南アジアの印刷物後加工業は、以下の特徴を持っています。
多様な需要: 地域内の経済発展に伴い、広告、教育、エンターテインメント、商業など、多岐にわたる分野での印刷物の需要が増加しています。人口も多く、所得が上がっていく中でその需要はしばらく衰えることは無いでしょう。
技術の進化: 近年、デジタル印刷や3D印刷などの新技術が導入され、より高品質で多様な印刷物の生産が可能となっています。古いしがらみやゾンビ的技術が少ないため、その分、新しい技術の導入が早いです。
低コスト: 東南アジアは労働力が安価であり、高品質ながらも低コストでの生産が可能です。これにより、多くの国際企業がこの地域での生産を選択しています。いわゆる内職的作業を任せたら、日本国内企業とはコスト的にも労働力的(スピード)にも比較になりません。
主要な国とその特徴
さて、下記は東南アジア諸国の印刷物後加工業に関する特徴を簡単にまとめたものです。ただただ安い労働力があるだけではなく、それぞれの国の強みが存在します。
タイ: タイは、東南アジア有数の経済国であり、印刷物後加工業が発展している国の一つです。理由として、地理的にタイはアジアの中心で物流の要所となっており、各種原材料輸入や輸出が容易であるなど印刷物後加工業に有利な環境となっていること、また豊富で熟練した労働力と国内需要の大きさが業界の発展を支えているといったことが挙げられます。バンコクを中心に多くの印刷工場があり、高品質な製品を輸出しています。
ベトナム: ベトナムは、近年、経済成長が著しく、印刷物後加工業も急速に発展しています。特に、ホーチミン市やハノイには多くの印刷工場が集まっています。ベトナムも地理的に中国と東南アジア両方に接するなど重要な位置を占めていること、東南アジア諸国のなかでも安い労働コスト、国内市場の拡大などが理由です。国民性も特に北部では真面目な人間が多く、高い品質を維持できていると言えるでしょう。
インドネシア: ジャカルタやスラバヤを中心に、多くの印刷関連の企業が存在します。東南アジアでも最大の人口を背景に、国内需要も非常に高いです。さらに天然資源が豊富で紙の原料となる木材が多く、紙を安く作ることができます。また多文化国家であるインドネアシアは地域ごとの特化した印刷物需要があり、多様な印刷物後加工業が発展しています。
フィリピン: マニラやセブには、英語を話す労働者が多く、西洋のデザインや要求にも対応しやすいという特徴があります。フィリピンはアメリカの植民地であった時代があるので、西洋文化との親和性が高く、さらに太平洋地域とアジアをつなぐ場所に位置するため、日本との貿易では東南アジアの他国に比べて優位性があります。
労働コストのランキング
各主要国の労働コストを安い順に並べると下記のようになります。ただ、発展著しい各国であるので近い未来に変動する可能性もあります。
- ベトナム: 近年の経済成長にも関わらず、労働コストは依然として低い。
- インドネシア: 豊富な労働力と比較的低い労働コストを持つが、地域によっては異なる場合がある。
- フィリピン: 英語能力が高い労働力を持つ一方で、労働コストもやや高い。
- タイ: 経済の発展とともに労働コストも上昇してきている。
各国のビジネス的国民性
それぞれの国に長い歴史があり、それぞれ国民性や文化に特徴があります。当然ビジネスにも影響してくるので、よくその特徴をつかんでおく必要があるでしょう。
タイ: 「サナム・ヤイ」(大きな心)という言葉が示すように、寛容で友好的。王室や仏教への深い敬意を持っています。「タイの微笑」に表されるように納得していなくとも調和のために笑みを浮かべるといったところもあります。また、年長者や上位者への尊敬が極めて大事で敬意を示す必要があります。
ベトナム: 独立心が強く、家族を中心とした社会構造。歴史的な背景から、外国文化への適応力があります。直接的な拒否や対立を避ける傾向があり、間接的なやり取りが多いです。また細かい情報提供や確認を好むので、その点は比較的日本と似ているかもしれません。ただ、北と南でも気質が違うので一概にはいえません。一般的に北の方が真面目で閉鎖的、南の方が大らかで怠惰的と言えるようです。
インドネシア: 多様な民族や宗教が共存する国で、文化や宗教への寛容性が求められます。またコミュニティとの調和を重視します。インドネシアもベトナムと同じく直接的なコンフリクトを避ける傾向にあります。縁故主義でもあるので、人間関係やネットワークがとても大事です。
フィリピン: 西洋と東洋の文化が融合しており、開かれた性格を持ちます。家族や宗教、特にキリスト教への絆が強いです。英語能力が高いので、英語でのコミュニケーションは比較的スムーズにできます。また柔軟な対応力があるので様々な状況や要求に応じることができます。一方で日本人から見ると適当でだらしない印象を与えることもあります。男性より女性の方がよく働くとも言われますね。
まとめ
東南アジアの印刷物後加工業は、今後も経済の成長と共に拡大が期待されます。環境に優しい製品への需要増加など、新しい市場の可能性も広がっています。しかし、環境問題や労働条件の改善など、持続可能な成長を目指すための課題も多く存在します。個人的には労働コストが比較的安く、日本人とも気質が似ているベトナムは有望株に見えます。ただ、各々の企業の思惑があるでしょうから、それに一番適している国を選択してビジネスをスタートさせるのがBetterですね。
日本の持っている優れた企業風土や技術、そして東南アジア諸国が持つそれぞれの強み。これらのシナジーを持ってすれば世界相手にも戦えるはずです。大企業でなく中小であっても、現在はこれらの国とビジネスを簡単にスタートできる環境が整ってきています。コロナが過去のものになりつつある今、また眼を世界に向けてみることが斜陽産業と言われるこの業界でも必要なことなのではないでしょうか。
“Ideaを形に。”