アクリルスタンドが紙になったら
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こんにちは、東京紙器のコガです。
みなさま、「推し」は居ますか?
最近はアニメやアイドル等ジャンル問わず、⽐較的オープンに推しを愛でる⽂化が強くなってきていることをひしひしと感じます。
推しの⼩さなぬいぐるみやアクキーなどを旅⾏やカフェにも連れて⾏き、⼀緒に写真を撮る(→SNSで共有、など)という光景をよく⾒ます。
あたかも⼀緒の時間・空間を過ごしたような幸せな気持ちになれますよね…^^
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アクリルを紙に
弊社は紙の加⼯の会社なので、何でも「これを紙にしたら…?」と考えるのが癖になっています。(カミハンガーやハニカムファイルもそこから作られました)
「アクリルスタンドをそのまま紙で作ったら。」弊社会⻑の思い付きでした。
話を聞いた当初、私には懸念点ばかり頭に浮かんでしまって反対意⾒ばかり述べていました。
でも、結局は⼿を動かさないと何も始まりません。
懸念点はたくさんあるけど、⼀旦全部置いておいて、とりあえず作ってみよう。
そうしてできたのがこちらの紙製スタンドです。
紙製スタンドのつくりかた
①まずは正⾯・背⾯のイラストを準備
これが意外にも⼀つ⽬のハードルでした。
サンプルとして軽い気持ちで使えるようなイラストの正⾯・背⾯があるフリー素材はなかなか無いですし、私も絵描きではないのでイラストを描けません。
結局、絵が上⼿な私の友⼈に依頼して特別に書いてもらいました◎
②イラストを正⾯図と背⾯図を並べた状態で薄い紙に印刷
今回はコート紙135kgに印刷しました。
部分的に箔押しもして、キラキラにしてみました。
箔押ができるのも、紙ならではです!
③⽩いボール紙に合紙
今回は1.5mm厚の⽩い芯材に印刷済のコート紙を合紙しました。
これで、紙⾃体に強度を増すことができます。
④型抜き加⼯
合紙後の印刷物をダイカットの型で抜きます。
資材の堅さや形状、条件にもよりますが、
このくらいの厚み、堅さの紙ならば弊社の油圧式の機械で打ち抜きができます。
表⾯・裏⾯をそれぞれ抜き上げます。
⑤⼿作業の貼り合わせ
このままだと表⾯・裏⾯がバラバラなので、⼿作業で表裏を貼り合わせます。
そうすると合計約3mm厚の本体が出来上がりました!
かなり堅く丈夫で、紙とは思えません。
こんな感じで、紙製スタンドが完成しました!
まとめ
思っていたよりいい感じにできて⼤満⾜です!
ただ、これがそのままアクリルスタンドの代⽤になれるかというと…微妙なところではあります。
飾って推しを愛でるものとしては⼤満⾜なのですが、最初に⾔ったような「その場に居るような」感覚にはどうしてもなりづらく、その点は透けて⾒えるアクリルに負けてしまいますね。
また、作成のロット問題もあります。
アクリルスタンドはアクリルに直接印刷→レーザーカットで仕上げ という⼿順で作られているために、多品種⼩ロットの作成ができます。
紙製になると、レーザーカットではどうしても断⾯の焦げが気になるため、型での抜き加⼯がメインになります。
その部分で、⼩ロットよりは中〜⼤ロット向け のイメージになります。
ただ、紙ならではのメリットもあり、箔押しやエンボス、⼿触りにこだわった特殊紙での制作など、アクリルではできない加⼯もできます。
これらを活⽤して、例えば効果的な店頭POPに使ったり、他にはないグッズ作成のヒントなどにできそうな気がしています!
何か⾯⽩いアイデアがありましたら是⾮ご連絡・お問い合わせください!