こんにちは、東京紙器のコガです!
今回は、こちらの「【レーザーカット】テストカット結果②」の続きとなる記事です。
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はじめに
前回に引き続き、社内の御朱印担当から声が上がり、筆で文字を書くとどうなるのか、紙ごとの筆記適正を知りたいということで実験しました。切り絵御朱印としての使用を想定した際に、筆での書き心地は結構重要なところですよね。(もはやレーザーカットと関係なくなってきていますが)とりあえずやってみましょう!
ちなみにコガは中学生男子のような字しか書けないので、社内でとびきり字の綺麗な佐藤さんに書いていただきました。なんと普段から写経をしているそうです…!
ご紹介するのはスキャン画像ですので、実際に見た感じとは異なります。また、私用する筆記具によっても結果は異なる場合があります。
本記事内の画像はあくまで参考程度にお願い致します。実際のご注文でご検討の際は、一度実際の用紙のサンプルをご依頼いただき、いつも使っている筆記具でご確認頂くことをお勧めいたします。
今回は一般的な墨汁(開明の書道液墨)を使用しました。
鳥の子紙(白)90kg
※切り絵御朱印、鳥の子紙の筆記適正
レーザーカット適正もよく、表面も平滑で綺麗な鳥の子紙。にじみやカスレもなく、墨のりも良く書きやすかったようです。切り絵御朱印にお勧めしたい和紙です!
大礼紙(白)75kg
※切り絵御朱印、大礼紙の筆記適正
レーザーカット適正もよく、表面も平滑で綺麗な大礼紙。にじみやカスレもなく、筆記適正は問題なさそうです。
雲龍大礼紙(白)75kg
※切り絵御朱印、雲龍大礼紙の筆記適正
きらきらした繊維があり表面も平滑で綺麗な雲龍大礼紙。にじみやカスレもなく、筆記適正は問題なさそうです。
特抄越路(白) 75kg
※切り絵御朱印、特抄越路の筆記適正
繊維の束が独特な特抄越路。少しカスレがみえますが、筆記適正は問題なさそうです。
大静海波(白)75kg
※切り絵御朱印、大静海波の筆記適正
青海波の模様が表面にあしらわれた大静海波です。結構墨がにじんでしまいました…。
山根紙(白)75kg
※切り絵御朱印、山根紙の筆記適正
太い繊維の束が多くワイルドな質感の為レーザーカットが難しかった山根紙。墨をよく吸うようで、少しカスレもありますが、それがまたいい味をだしていますね。
楮紙(純白)厚口
※切り絵御朱印、楮紙の筆記適正
柔らかくふわっとした質感の楮紙。少しにじみはありますが、問題なく筆記ができたようです。
特選奉書 瑞穂(じゅんぱく)60kg
※切り絵御朱印、特選奉書の筆記適正
レーザーカット適正もよく、表面も平滑で綺麗な特選奉書。にじみやカスレもなく、乾きも良いため筆記適正は問題なさそうです。
片面赤染奉書65kg
※切り絵御朱印、片面赤染奉書の筆記適正
片面赤染で、表面がツルっとしている片面赤染奉書。平滑性があるため書きやすいのですが、あまり墨を吸わないようで、少し乾きが遅めのようです。
染和紙(純白)26.5kg
※切り絵御朱印、染和紙の筆記適正
柔らかくふわっとした質感の染和紙。墨がにじみやすく、ちょっと書きづらかったようです。薄めの紙でもありますので、扱いに注意が必要かもしれません。
和紙風の洋紙
しこくてんれい(雪)135kg
※切り絵御朱印、しこくてんれいの筆記適正
和紙の大礼紙を洋紙にアレンジした紙で、の長めの繊維が漉き込まれているしこくてんれい。表面がつるつるしていたために、筆が滑り少し書きづらかったようです。
新鳥の子(雪)110kg
※切り絵御朱印、新鳥の子の筆記適正
鳥の子紙の風合いに似せて作成された新鳥の子。にじみやカスレもなく、筆記適正は問題なさそうです。
洋紙もいくつか
NTラシャ しろ 130kg
※切り絵御朱印、NTラシャの筆記適正
色の展開が多く、レーザーカット適正も問題ないため、弊社で切り絵御朱印の作成時によくお勧めしているNTラシャです。質感は画用紙のような雰囲気で、墨ものりやすく書きやすかったとのこと。洋紙での御朱印もお勧めです~!
里紙 竹 130kg
※切り絵御朱印、里紙の筆記適正
和風の色味が多く、質感もザラっとした風合いが人気の里紙。レーザカット適正も問題ないため、NTラシャと同じく弊社で切り絵御朱印にお勧めしている洋紙です!筆での筆記も問題なく、書きやすかったようです!
キュリアスメタル スーパーゴールド 84kg
※切り絵御朱印、鳥の子紙の筆記適正
ラメっぽくキラキラの金色がリッチなキュリアスメタルです。意外と書きやすくは合ったらしいのですが、やはり墨の乾きが悪く、少々扱いづらかったようです。
印刷や箔押しの上には?
切り絵御朱印を作成する際に、印刷や箔押しを併用頂く場合が多いです。例えばイラストや背景、家紋や朱印などを印刷・箔押しして納品し、最後に筆文字や日付を書き加えて完成させるなど。その際、オンデマンド印刷のトナーが乗った部分は、特に水性のインクや墨をはじいてしまうので、筆記部分と印刷が被りすぎないようなレイアウトの工夫が必要になります。
印刷の100%濃度の上に書いた部分は完全に墨をはじいてしまっているのがわかると思います。濃度が薄くなれば、何とか書けそうな状態です。背景全面に印刷をしたいときなどは、薄めの濃度にしておくのが良さそうです。
ベタ箔の上に筆で文字を書いてみました。金属の上に書いているようなものですので、全く墨を吸いません。書くというより墨を乗せているイメージです。触れずにそっと置いて乾かしましたが、爪でひっかくと剥がれます。
箔押の上に墨で書くレイアウトは避けた方が無難ですね。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
私はレーザーカットの担当なのですが、普段あまり気にしていなかった筆記適正の実験をして、かなり勉強になりました!今回は墨汁と筆でテストしましたが、同じ紙に筆ペンで書いてみたら、少し結果が変わったりもしました。
同様に、ボールペンや鉛筆、水性ペンや油性ペンなど、筆記用具によって結果は様々だと思います。
子供の頃、裏が白紙のチラシを集めてお絵描きをしていたのですが、上質系のチラシは書き心地が良くて大好き(コート系のチラシは鉛筆が滑ってキライ)だったのを思いだしました。
書き心地って紙製品にとっては本当に大事だと思います。
何か書くことを目的とした紙ものを作成する際は、紙のサンプルを取り寄せて書き比べしてみるのも面白いかもしれませんね。
レーザーカットや御朱印のご相談は東京紙器のお問い合わせフォームから是非ご連絡ください。
※お見積りご依頼の際には下記情報を添えてご連絡ください。
・用紙銘柄/斤量
・仕上がりサイズ
・数量
・カットデータ(adobe illustratorのパスデータ)