こんにちは、東京紙器のコガです!
今回は、こちらの「レーザーカットの適正とは(焦げ・ヤニ・スス)」記事の続きです。
前回記事を先に読んでおくと、より理解が深まると思います。
Table of Contents
はじめに
今回はサンプルカットの結果を載せていくのですが、焦げの程度や適性がわかりやすいように、加工面(裏面)から見た写真を載せております。
また、こちらの結果は東京紙器のレーザーカット機での検証結果です。使用されている機種によって結果は変わりますので、弊社限定の参考資料としてご覧いただけますようお願い致します。
テストカットの用紙設定について
さて、今回はお客様からよくご相談される紙や、よく聞くファンシーペーパーを中心に焦点をあててテストカットをしてみました。焦げ具合が見えやすいように、色は今回は出来る限り白いものを例に挙げています。
用紙厚は大体名刺程度(46/160kg~180kg程度)と設定しました。色や厚みによっても結果や見え方が変わりますが、そのご紹介はまた別の記事で。
ご紹介するのはスキャン画像ですので、実際に見た感じとは異なります。本記事内の画像はあくまで参考程度にお願い致します。実際のご注文でご検討の際は、一度サンプルカットをご依頼いただき、実物をご確認頂くことをお勧めいたします。
アラベール-FS(スノーホワイト)160kg
画用紙のような、表面が少しザラっとした温かい風合いが優しい人気の紙です。素朴な高級感がある紙で、落ち着いた印象があります。
断面が焦げで少し茶色くなりました。指で触ると少し手に焦げが移る程度です。
ヴァンヌーボV-FS (スノーホワイト)175kg
風合いとしてはアラベールと似たザラっとした高級感がありますが、印刷をきれいに出すために表面に薄く塗工がされているのが特徴です。高級感のある印刷物でよく使用されているのを目にします。
断面の焦げ具合はアラベールと同じくらいなのですが、表面塗工による影響でスス(黒い粉)がかなり出ました! 手にもススがつくし、カットしていない部分もススで汚れてしまい、これはショックです…。レーザーカットの適性は低いと言えるでしょう。
マーメイド(スノーホワイト) 175kg
水彩用紙としてもよく扱われているマーメイド紙です。表面のさざ波のような凹凸のテクスチャが特徴の、個性的な用紙です。
断面が焦げて、黒っぽくなりました。パッとみて焦げが目立つので、使用する場面を選びそうです。
タント(N-9)180kg
表面のさりげないエンボス感が特徴の、質感が楽しい紙です。色展開が多く、様々な用途で使用されています。
こちらも断面が焦げて、黒っぽくなりました。パッとみて焦げが目立つので、使用する場面を選びそうです。
NTラシャ(スノーホワイト)170kg
名前の通り、羅紗(厚手の毛織物)を思わせる、温かい肌触りをもっている紙です。タント同じく、色展開が多いので、様々な用途で使用されています。
断面は焦げで茶色っぽくなりました。比較的、カット適正は良好ではないでしょうか。
OKフロート(ホワイト)170kg
サラリとした質感の用紙ですが、合成繊維が漉き込まれているためにホットスタンプ(加熱型押し)をすると、その部分の濃淡が変わるという特殊紙です。(弊社ではホットスタンプの機械はありませんが、興味があります…!)
断面は焦げで濃いめの茶色っぽくなりました。
OKミューズコットン (白)163kg
白だとわかりづらいですが、表面には約1mm間隔の縞模様が入っている、優しい雰囲気の紙です。柔らかな色展開があり、幅広い用途に使用できそうです。
レーザーの焦げが目立ちにくく、レーザーカット適正は良好だと言えるでしょう。
OKACカード (しろ)132kg
平滑な表面のカード紙です。筆記性に優れているので、カードやパッケージなどに使われることが多いようです。
断面は少し黄色っぽくなりましたが、焦げがほとんど感じられないくらいきれいにカットができました。レーザーカット適正は良好だと言えるでしょう。
五感紙 荒目(純白)160kg
表面の凹凸のテクスチャが楽しい、フェルト調の紙です。触ってみると、思ったより堅い印象を受けます。
レーザーの焦げが目立ちにくく、レーザーカット適正は良好だと言えるでしょう。
ディープマット(ホワイト)180kg
ナチュラルな質感で、落ち着いた印象を受ける紙です。シックな色展開で、大人なイメージがあります。
レーザーの焦げが目立ちにくく、レーザーカット適正は良好だと言えるでしょう。
レザック75(白)180kg
レザー調のエンボスが特徴の紙です。文集や冊子の表紙によく使われているイメージがあります。
レーザーの焦げが目立ちにくく、レーザーカット適正は良好だと言えるでしょう。
WPHO 180kg
きめ細やかな地合いと平滑性があり、上品な白さが特徴の高級印刷用紙です。非塗工なのにインクの発色が良く、コシが強く伸縮も少ないというのが特徴です。
レーザーの焦げが目立ちにくく、レーザーカット適正は良好だと言えるでしょう。
竹はだGA 180kg
竹を使用した非木材パルプ配合の紙です。竹パルプ繊維による暖かな質感が特徴です。弊社社員の名刺はこちらの紙を使用しています。
断面は焦げで茶色っぽくなりましたが、少し黄味がかった紙色なので、焦げは目立ちにくいです。比較的、カット適正は良好ではないでしょうか。
上質紙 (しらおい)180kg
ファンシー系ではないですが、一般的によく使用される「上質紙」のカット結果も比較用に掲載します。上質紙と言っても様々な種類があるのですが、今回は代表的な銘柄のしらおいでテストです。
断面が焦げて、黒っぽくなりました。パッとみて焦げが目立つので、使用する場面を選びそうです。
コート紙 (OKエルカード)225kg
前回の記事でも、カット適正の低い紙として挙げたコート紙(塗工紙)を切ったらどうなるのか、比較用に掲載します。印刷が綺麗に出るので、一般的な印刷物で頻繁に使用されていますし、弊社でも付箋や紙クリップのカバーや台紙に使用しています。
弊社在庫の厚手の用紙でテストカットしたということも要因になるとは思いますが、断面が焦げて、黒っぽくなりました。また、表面塗工の影響でスス(黒い粉)がかなり出ており、手にもススがつくし、カットしていない部分もススで汚れてしまい、レーザーカットの適性は低いと言えるでしょう。コート紙とレーザーカットの組み合わせは避けた方が無難でしょう。
おわりに
いかがでしたでしょうか。私自身もテストカットをしながら様々な発見・驚きがありました。
世の中にはたくさんの紙がありますので、こだわりの紙でレーザーカットをしたい!という場合は、(別途料金が必要にはなりますが)本番前に一度テストカットのご依頼をいただき、ご自身の目で結果を確かめてからの進行をお勧めいたします。
他の紙であったり、色違いや厚み違いのカット結果が気になるので、次回以降はそのあたりをテスト・比較検証していこうと思います。また次回をお待ちください!
レーザーカットのご相談は東京紙器のお問い合わせフォームから是非ご連絡ください。
※お見積りご依頼の際には下記情報を添えてご連絡ください。
・用紙銘柄/斤量
・仕上がりサイズ
・数量
・カットデータ(adobe illustratorのパスデータ)