荒井さんから卒業制作の相談を受けた時はっきりいって「これはとてむ無理」と思いました。内容は1枚ずつ形を変えた紙を使ってメモ帳を作りたいというものでした。
1枚づつ紙をカットするのはレーザー加工の得意技ですが、さすがに2000枚も1枚ずつ形を変えて切ったら、一体何日かかることやら。しかもそれがほぼ円形ですからメモ帳に糊づけすることもできません。
しかしその作品に対する「想い」は十分に伝わってきました。なんとか形にしてあげられないだろうかと思って思いついたのが下記のような作品でした。業界人では思いもよらない面白い発想ができるというのも学生さんの特権ですね。
荒井さんの作品紹介をそのまま載せます。
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本作品は、樹木の形をしたスタンドメモです。
製品の特性は、使用者がメモ帳を利用することによって、自己啓発を図ることが
目的とされている点です。
具体的には、メモ帳一枚一枚にそれぞれ違う問いかけが彫刻されており、それぞ
れのメモ帳断面に回答のためのスペースが設けられております。
135問の問いかけをすべて答えていくことによって、自分との対峙、発見、成長
をする。
以上の特徴を有機的な形で表現するために用いましたのが、自由な形でのカッ
ティングを可能とするレーザーカッティングと、素材感・存在感に富むG 段ボー
ルです。
G段ボールの持つ雰囲気と厚みをいかし、一枚一枚違う形の断面を積み重ねてい
くことで生命力あふれる大木へと「成長」していくのです。
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先日「無事卒業できました」とご挨拶にみえられました。
これからの活躍応援してます!