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【必読】レーザーカット・加工に関する注意事項

今回は、レーザーカットやレーザー加工に関する基本的な注意事項をお伝えします。

①加工機の種類と加工可能範囲

弊社には2種類の加工機があり、サイズや厚みによって使い分けをしております。

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・高速加工機

A4程度までの大きさで薄い紙への加工を得意としています

(比較的安価・早い・厚み0.4mm程度まで可)

【対応用紙サイズ】最大300×300mm

※用紙の各辺10mmずつは加工不可

【加工可能サイズ】最大280×280mm

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・精密加工機

厚い紙やB4~A3程度の大きさの紙、木材やアクリル等の加工を得意としています

(比較的高価・時間がかかる・厚み3mm程度まで可)

【対応用紙サイズ】最大300×600mm

※用紙の各辺10mmずつは加工不可

【加工可能サイズ】最大280×580mm

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多くの場合はサイズで扱いが変わることが多く、規格用紙で言うと、A4サイズから切り出すものは高速加工機、B4サイズ以上のものは精密加工機での加工になるようなイメージです。

 

②加工NGな素材

▲段ボール(G段以外)
⇒間にある空気の層の影響で、焦げがひどく、燃えてしまうこともあります。

▲金属や鉄(または、それが貼ってある紙)
⇒基本的には切れません。アルミ蒸着紙等は切れる場合がほとんどですが、事前にテストが必要です。

▲PP加工やラミネートがされている紙
⇒表面のPPが溶け、再度接着してしまうのでレーザーカットには向いていません。

▲塩化ビニル(塩ビ)
⇒塩ビを燃焼させると、塩化水素という人体に有害なガスが発生します。またこのガスは機械にも有害で故障の原因となるため、塩ビのレーザーカットは絶対にNGです。

▲ゴム
⇒素材自体はレーザー加工ができなくはないのですが、においが強く、また加工時に粉塵も多く出るため、弊社では加工NGとしております。

▲皮革(レザー)
⇒素材自体はレーザー加工(彫刻)ができなくはないのですが、においが強いため、弊社では加工NGとしております。

▲鏡・鏡面仕上げをした素材
⇒光を反射する素材は、レーザー光線を反射して機械を傷つける恐れが有りますので、基本的には加工NGです。

▲厚すぎる素材
⇒弊社のレーザーカット加工機は薄紙を切ることに特化しているので、厚い木材やアクリルなどを切るにはパワーが足りません。紙や木材・MDFは3mm厚まで、アクリルは5mm厚までを目安にご検討ください。また、厚ければ厚いほど高出力でゆっくりと加工することになるので、加工代は比較的高価になってしまいます。

 

絶対NG!という素材もありますが、気になる素材があれば一度ご相談ください。弊社で手配が可能な資材であれば購入しますし、弊社手配ができないこだわりの素材であればご支給頂き、テストカットをさせていただきます。(別途費用がかかります)

 

③データ作成

データの作成に関してはこちらの記事で詳しく説明していますので、必ずこちらを一読いただけます様お願い致します。

【レーザーカット】データ作成ガイド

④印刷物へのレーザーカット加工

印刷したものへのレーザーカットは、多少のズレが発生しても問題のないような設計をしてください。

印刷物自体にも、湿気や熱等による用紙の伸縮、用紙に対する印刷の位置精度などで細かなズレが生じていますし、レーザーカットの機械へセットする時に生じるズレなど、様々な原因からズレは生じます。100%誤差なく加工するということは事実上不可能です。

弊社でのズレの許容範囲は0.5mm程度(※仕様や条件により前後する)としておりますので、切れると困る印刷から加工までは1mm以上は離しておくようにしてください。また、オンデマンド印刷機やご家庭用・事務機用のプリンターを使用した場合は特に、印刷位置の誤差が大きくなりますので、仕上がりのズレも大きくなります。

 

⑤焦げ目について

白色の紙の場合は若干切り口が茶色っぽくなることがあります。紙の厚みが厚いほどレーザーが照射される時間が長くなり、その傾向が強くなります。
またカット時には焦げてなくとも時間の経過とともに茶色く変色することがあります。これはカット時に発生した粉じんが用紙に付着して変色するためです。基本的に色上質など色付の紙で.0.3mm程度の厚み以下の紙のカットに適しています。

※レーザカットの焦げについては、こちらの記事をご参照ください

レーザーカットの適正とは(焦げ・ヤニ・スス)

 

⑥カス残りについて

細かいカットの場合、たとえば小さな円や弧をカットするとカスが残る場合があります。紙の厚みのムラがあるものではその傾向が強くでます。100%カスをとった形で納品することができないので、あらかじめご了承ください。カスをとる場合は別途作業代をいただく場合がございます。

 

⑦印刷・用紙の手配について

弊社では、用紙の購入手配や印刷も承ります。印刷は小ロットであれば、社内のオンデマンド印刷機にてご対応可能です。大ロットや特殊な仕様の場合は協力会社に依頼しオフセット印刷を使用することも可能です。
ただ、用紙によっては印刷適性が低い用紙もございますので、弊社で実績のない用紙で印刷や加工をご希望の場合は、必ずテストが必要になります。

また、弊社で手配ができない紙であったり、こだわりの用紙、こだわりの印刷等がある場合は、資材をご支給頂いての加工ご対応も可能です。
ただ、印刷や加工等、各工程で必ず予備が必要になります。必要な枚数は使用によっても異なりますので、資材ご支給の旨お伝えいただき、必要予備枚数をご相談ください。

予備が少ない・足りない場合は、出来上がり分のみの納品になりますので、ご希望数量を下回る場合がございますので予めご了承ください。また、実数納品が基本になりますので、製品予備が必要な場合は予備を含んだ部数でご注文下さい。

 

⑧紙の厚み・材料

通常カット作業に適している紙の厚みは0.1mmから0.3mm程度です。それ以上厚い紙や特殊紙のカット場合は事前にテストカットをして、カット状態を確認して進行するようにしてください。3mm程度の厚紙もカットはできますが、切り口にすすが付きますので、汚れがつくことがあります。厚い段ボール用紙はカットができませんが薄いG段ボールはきれいにカットできます。

ユポなどの合成紙は若干切り口が溶けた状態になります。
PETは0.5mm以下の厚みであれば比較的にきれいにカットできます。PETはPPに比べて耐熱性が高いので解ける度合いも少なくカットができます。
クリスパーなどのPET系合成紙も同様にユポよりはきれいに切れます。

カッティングシートなどで多く使われている塩ビ系の素材は有毒な塩化水素ガスが発生するのでカットができませんのでご了承ください。

 

⑨サンプルカットについて

カット校正やサンプルカットの為であっても、機械のセット作業など通常の作業工程が発生いたしますので、費用が発生いたします。別途お見積りにてご対応致しますので、ご希望の際はご連絡ください。

 

⑩納期について

納期に関しては、カット形状の複雑さや紙の厚さ等の仕様により大きく変わります。また工場の混み具合によっても前後しますので、余裕をもって早めにご相談ください。時期や仕様等をご用意の上、事前にご相談いただけます様お願い致します。

レーザーカットは型を作って抜く「打ち抜き」とは違い、ロットが大きければひたすらに時間がかかる加工になります。大ロットの場合は、簡単な形状であれば打ち抜きをご案内させていただく場合もございます。

 

何かご不明点がありましたら東京紙器のお問い合わせフォームから是非ご連絡ください。

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